01 私の名はヴィヨレ

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 イサークは私を慰めようとしてくれたのね。イサークの優しさに触れて私は心が温かくなった。 「大丈夫よ。ルカの事は思い出にするから。初恋は実らないって聞くし」  私はイサークと向かい合う為、体を横に起こした。それからイサークの顔を見つめた。するとイサークは私の一房の髪の毛にキスを落とした。  その動きに思わずドキリとする。  昨日までは一緒に戦った仲間だったのに。突然こんな事をするなんて。私がそう思って見つめていると、再びギラギラとした瞳で、イサークは見つめる。イサークの言葉が再生される。  ──ルカなんてガキは止めて俺にしておけ──  ルカの事を勇者と認めているのに突然ガキなんて。イサークは冒険している時から、私の事をずっと見ていてくれた?   熱い視線の理由が分かって、私はそっとイサークの頬を撫でた。ざらりとした感触。ひげが生えてきているのかな。それとも男の人の肌ってこんな風に違うのかな。  私が触れるとイサークはゴクンと唾を飲み込んだ。触れていた手を掴んで、掌にキスを落とす。 「俺は言葉が足りないからな。他の慰め方を知らない」
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