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「女を慰める度にキスして抱くの? それは大変ね。でも私は慰めはいいわ」
「……そうか」
「ね? イサーク。私の事を好きって思ってくれるなら。これからも一緒にいたいと思っているなら──」
私はそこで言葉を切る。
そしてイサークの唇に人差し指をつけて、顎を撫でて胸の真ん中に人差し指を突き立てた。それから甘える様に見上げる。
そこには少し口を開けて、次の言葉を待っているイサークがいた。黒い瞳に私が映っているのが見える。
いつも言葉が足りないイサーク。寡黙で戦う事が全てだという男。気の利いた台詞なんて、さっきキスした時しか聞いた事がなかった。
だから、言葉が足りないイサークの為に私が言うわ。
私は、イサークしか聞こえない小さな声で呟いた。
「──私を抱いてもいいわよ?」
その言葉を聞いた途端、イサークに乱暴に抱きしめられる。そして再び熱い口づけに溺れた。
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