劇的な変化を求めたあの日

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 突然のことで、色々と思考が追いつかない。  情報が多すぎる。納得なんてできていない。  受け入れてなんていない。それでも、覚悟は決めておこうと思った。矢吹と敵対する。霧島を助ける。そのすべての覚悟を。 「ーー皆、席に戻りましょう」  蓬莱の言葉で、放心状態だった皆は、席へと戻った。私は蓬莱のことを見た。蓬莱は信じられないものを見たかのように、冷や汗をかいていた。  それから席に座ったが、教師が戻ってくることはなかった。  次に教師が教室に来たのは、2時間目の授業が始まる鐘が鳴った後だった。
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