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劇的な変化を求めたあの日
代わり映えのない日常を過ごしていた。
高校1年生である私は、くだらない学校生活を過ごしていた。
正直に言って、生きている理由が分からなかった。16年間、両親に育てられたけれど、その理由が分かった日は、一度たりともなかった。
辛い思いをしながら、学校に行かなければならない理由も、憂鬱な毎日を過ごさなければならない理由も。何一つとして分からなかった。
思わず溜息を吐いた。
「何溜息吐いてんだよ! 息していることを許してあげてるんだから、空気悪くさせるようなことしないでくれる!?」
こういうことを言われるから、学校になんて来る気が失せるんだ。
鼻息を荒くして文句を言ってくるのは、矢吹琴子。矢吹のことを一言で表すとしたら……喋る豚?
いや、流石にそれは失礼か。
特徴的には、その煩い口に加え、ボブの黒髪に顔と比例して大きな瞳。
いるだけで私を不快にさせてくれる人だ。
「よく喋る豚だな。何、お前暇人なの?」
「なんだと、この……ッ!」
「はーい、授業始めるから席につけー?」
教師が入ってきた。
殴りかかろうとしていた矢吹は、舌打ちをしながら席へと戻る。流石に問題になるのは嫌なのだろう。いや、すでに問題案件と化しているが。
そうして、つまらない授業が始まった。
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