ピンクパール

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ピンクパール

間違いだらけの人生だ。 俺は、いつだって間違える。 正しいはず、ない。 分かってる、なのに…………助けたい。 親友は、いつだって正しい。 彼女は、いつだって優しい。 あいつは、いつだって楽しそう。 あの子は、いつだって悲しそう。 嫌いな人は、いつだって周りを見てる。 好きな人は、いつだって周りを見ない。 俺は……探してる。 ……でも、ない。 どこにも、ありはしなかった。 人の粗が、見つからない 前は、もっとあったのにな…… 今は、眩しいよ。 何も……見えない。 周りが、白くなった。 音すら……聴こえない…… 俺は、黒い。 いつだって、黒い…… 他の色と混ざりたい。 他の色になりたい。 まぁ、黒くなるんだけどな…… 純白に憧れている。 だから、努力した。 でも……気がついた。 黒は、他の色になれない。 白に近づくことすら、できないんだ…… 純白に囚われる。 憧れたものに近づけない…… 生きてるだけで…………つらい…… いっそ、漆黒になる……のも、ありかな。 その方が、楽になれる。 ……けど……怖い。 漆黒の先に、何があるんだろう。 ……ない……何も、ない…… 嗚呼……周りが、見えない…… これは、恐怖? どこまで行っても……必ずいるんだな……。 白は、正しい 黒が、間違い。 白に、なりたい…… もし、正しいなら……何をしても、恐怖を感じない…… 助けることに、戸惑いなんて……なくなる。 そう、思ってた。 ……極端だ。 白も、黒も、明確な意味なんて……あるはずが、ない 白は、夜に。 黒は、昼に。 本当に……そのとき、目立つのか? 黒は、汚れない。 白は、汚れる。 そんなこと……ないだろ。 「意味」なんて……ない。 黒も、正しい。 白も、間違い。 白にあることは、黒にもある。 黒にないものは、白にもない。 あるとしたら、これだ。 これが、「意味」 俺は、助けたい。 何を……だって? そんなもの、必要か? 何かを助けたい……この気持ちがあれば、充分だ。 感情に色をつけるのは、もうやめた。 でも……「愛情」に、色をつけるとしたら…… ピンク色の真珠……みたいのが、良い。
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