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辛抱強い愛
「……」
「……どう?」
ほぅ……と、小さく息を吐き……何度も、うんうん……と頷く。
これは……良いのでは? 感動、してるのでは!?
「締まらない終わり方……」
「絶対、感動したでしょ! 素直に、そう言っても良いじゃん!」
「あ、ごめんなさい……でも、意見が欲しいって、あなたが言ったんだけど」
褒めた上で、ダメなところを言って欲しかったな!
……まぁ、俺の言い方も悪かったけどさ。
ちなみに、あれから二日が経過している。その二日間の間に、詩を新しく作り直した。
そして今、白河さんの部屋で、作り直した詩を読んでもらっていた……。しかし、素直な感想をもらえず、不機嫌になっている……という状況だ。
「……そうだな。俺が悪いところも、多少なりともあった。ごめん」
「うん、そうだよね」
「でも……せめて! あなた、じゃなくて……名前で、呼んで欲しい!」
そう、白河さんに名前で呼ばれたことが、一度もない! なんなら、知っているかどうかも、怪しい。ここではっきりさせたい。白河さんが、俺に興味を持っているのか!
「え、なんで?」
「理由なんてない……は、嘘だけど……。とにかく、呼んで!」
「わ、分かったから……落ち着いて……」
ついに……呼ばれる! 運命の時がやってきたぞ!
名前で呼んでもらえるか……それとも、俺の名前が分からず、呼ぶことができないか……。
これによって、秀に自慢できるかどうか……! 決まる!
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