辛抱強い愛

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 心臓よ、止まれ。  ……いや、止まったら死ぬから、やっぱダメ。  バクバク、バクンバクン、ゲフンゲフン! ってな感じで、心音がすごいことになっている。  最後のは、咳だけど……。 「……」 「……」  白河さん!? 良い加減、何か言ったらどうなんです!?  五分ぐらい、沈黙が続いている……。  え? 俺が、なんか言うべきなの?  もう、心臓が悲鳴を上げてるんですけど? 言葉を発せないんですけど? 「……な」 「な……?」  永峰! 永峰って、呼んで! 「……な!」 「な……!」  これは言うでしょ! ね! もう、永峰でしょ! 「な、なな! な……んか暑いね! 海斗くん」  ん? あれ……姓? 名?  今……名? を言ったのか!? 「下の名前で呼んだ……のか?」 「そう、だけど?」  うおぉ……これは!  俺に! 興味が! あるって、ことですよね!? 「付き合ってください、白河琴音さん」 「嫌です」  え……即答? そんなことある?
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