余白

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「なぁ……ガチなん?」 「ああ、そうだ。そして……今は授業中だ。先生もいる。話しかけんな」 「分かったよ。ハニートラップじゃありませんようにー」  ハニートラップだと、白河さんが女スパイになっちゃうだろ……って、これも知ってんだろうなぁ。あー、うざいうざい。 「……という感じで、りんごをデッサンするんだけど……。話を聞いてない奴がいるな。永峰海斗、立て」 「……はい」  よりにもよって、美術の時間に話しかけられるとは……。この先生、機嫌が悪くなると、理不尽なことするんだよ。  俺は注意した人なのに、立たされるし……。ちなみに秀は、知らん顔で外を見ている。 「お前、モノクロームの意味は知ってるか」 「分かりません」 「馬鹿、少しは考えろ。……仕方ない、俺が教えてやる」  実は、これが正解だ。もし、ここで問題の正解を言っても、先生は怒る。だからと言って、少し考えてから間違えると、すごい馬鹿にされる。先生は、自分の知識を披露したいだけなんだ。真面目に答える必要なんて……ない!  ちなみに、モノクロームの意味は知らない。
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