雪女は、真珠が好き

余白

「モノクローム……略すと、モノクロ。みんな、こっちの方が馴染み深いんじゃないか？　ここからは、モノクロって言うぞ」

　もう、寝てる人がいるよ……。興味がない話を聞くと、どうして眠くなるんだろうな。

「モノクロは直訳すると、一つの色だ。今からやるデッサンは、鉛筆の黒だけを使う。だから、モノクロだな」

　あ、俺も眠くなってきた。人生において、ためになるはずのお話だ。聞かねばならない、が……。こんなにつまらない話が、ためになる……のか？

「だが……デッサンの場合は、背景色もある。それが、白紙の部分……白だ。デッサンにおいて、白をどう使いこなすかが鍵になる……で、こうす……」

　あー、どうしよ。先生の声も聞こえなくなってきた……ぞ……。

　5分後に、先生が燃え上がった。

　すんごい勢いだった……先生の髪が、俺への怒りで抜け落ちるかと思ったよ。いや、この場合は焼け落ちる？　まぁ、どうでもいいけどさ。