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第1話 期待(?)のルーキー
「あっちゃー、これは時間かかりそうだね」
美也さんは、頭を抱えてしまった。
強引に勧誘した責任を感じ、私は目を凝らしてルーキーのプレイを見守る。
私の名前は星野沙穂、武蔵野第一中学の二年生だ。
隣で、めまいを起こしそうになってるのは、石黒美也。我が一中女子バスケ部のキャプテンで、唯一の三年生だ。
さっきからミスを連発しているのが、今日入部した一年生の梅沢樹里。ミニバス時代からのチームメイトだった竹郷梨花が、掘り出し物だと大騒ぎするので、二人でスカウトした期待のルーキーだ。
なぜ、期待なのかと言うと、彼女は身長が一七二センチもあり、一年生にして既にチーム一の長身選手だからだ。
バスケットボールとは、身長に関してシビアなスポーツで、身長で劣る選手が普通にプレーするには、相手の何倍も素早く動かなければならない。
相手もスピードがあれば、待っているのは虐殺のようなゲーム展開だ。
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