第1章(2)ツバサside

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第1章(2)ツバサside

ここは港街にある学校。 "差別のない街"の学校と言うだけあって、ここには住民であれば簡単に入学する事が出来る。 敷地内には小学部、中等部、高等部、大学部と4つの校舎に分かれていて、俺は今16歳〜18歳が通う高等部だ。 ここははっきり言って学力も運動も、レベルはそこまで高くない。 元々この街には学校というものがなかったらしく、昔の子供達はわざわざ電車や船を使って隣の街や島に行っていて通学が不便だったとか。だから、それが理由で数十年前に作られただけの事。 生きていく上や就職するにあたっての最低限度の教養は受けられるが、特定の資格を取ったり、特別な職種に就きたいと考えている人間は例え通学が不便でも外へ出て行く。 故に、この学校は4つの部全体を合わせても生徒数はそんなにいない。 でも、人数が少ないからと言って団結力が強いとか、みんなと仲良く、とはなかなかいかないものだ。 「なっ?ツバサ、頼む! 今度の試合、助っ人として出てくれよ!」 昼休み。 昼食を食べに食堂へ行こうとした俺を、三人のクラスメイトが呼び止めてきた。
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