第1章(2)ツバサside

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聞いたところによると(と、言うか向こうが勝手に説明してきたんだが)この三人はバスケットボール部で、夏に大きな大会に進める予選があるらしい。 けれど先程も言ったようにこの学校のレベルは低く、部が結成されてから大きな大会どころか、予選すら勝ち抜けた事がない。 「オレ達三年だから、これが最後のチャンスなんだよ!」 「最後の思い出に本選に……。いや、予選を一戦でも多くでもいいんだ!」 「頼む!力貸してくれよ!」 ……まいったな。 目の前で三人に頭を下げて下げられて、俺は非常に困った。 どうやら先日の体育の授業でやってしまった事が、彼らに目を付けられてしまったらしい。 俺は学校であまり目立ちたく無かった。 でも、将来の為に勉強だけは手を抜きたくなくて、成績はこれまでずっと学年トップ。 安定した生活の為にそこだけは譲れなかった俺は、運動の方はそれなりに抑えて熟してきた。 だが、先日の授業でのバスケットボールの試合。 今まさに頭を下げているこの三人が少しばかり上手いのを良い事に、クラスメイト達相手に馬鹿にしたプレイをしていたんだ。 そこで、よせば良かったんだがボール奪ってゴール決めちゃったんだよなぁ……。 しかも最後の逆転のゴール決めたのが、時間ギリギリだったからコートの真ん中辺りから投げたやつが入っちゃって……。 今思うと、あれはやり過ぎだった。
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