④ 2012年

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④ 2012年

「ちゃる、おまえの企画で インタビューが決まったぞ」 ちゃるは、ある日、編集部のデスクに呼ばれた。 「えっ!?デスク、本当ですか??」 「ほら、韓国人の好きな日本のラーメン。 あのコラムでさ」 「嬉しい~!!…で、誰に インタビューすることに??」 デスクは首をかしげながらちゃるにたずねた。 「おまえさ…この韓国のグループと 知り合いか??」 デスクの手にはあの2人組の写真が…。 「えっ…い、いえ…。どうしてですか…?」 「インタビューの話、メンバーのうちの1人から 話がきたんだよ。」 ちゃるの胸がズキンと響いた。 「えっと…どっちのメンバーだったっけ…??」 「…ユノ…あ、いえ、ユノさんですか?」 「そうそう!ユノさんだよ。 よくわかったな。おまえ、ファンか??」 「あ、…は、はい…」 「じゃあ、なおさら良かったじゃないか。  そのユノさんがおまえに インタビューして欲しいってさ」 「えっ……」 「あんなスターがうちの雑誌 見てくれてたなんてな~!今回は 発行部数増やして巻頭カラーでいくから!!」 上機嫌のデスクを前に、 ちゃるの胸は早鐘のように鳴り続けていた。 ユノに…会える…。 かつては夢にまで描いたことだった。 それを自分から封印して、 ユノを忘れるまでに どれだけの涙を流したか…。 それでも私、 まだユノの事が好きなんだろうか…。 もう7年も経っているというのに…。 気持ちはもう過去のものだと思っていたのに…。 ちゃるは夜、付き合っている達也に会うことにした。 ユノに会う前にどうしても達也に会っておきたい。 強くそう思った。 2人でよく行く居酒屋で ちゃるは達也と食事をした。 「どうした?元気ないなぁ」 「達也…」 「ん?」 「もし、昔好きだった人に会ったら、  …達也はどんな気持ちになるの?」 「昔好きだったコに?そうだなぁ…」 達也は少し考えてから、 「ちゃるを紹介する、かな」 「え?」 「だから、そのコと2人きりでは会わないよ」 「じゃあ、偶然会っちゃったら?」 「簡単に話してバイバイ、かな」 「…そっか…」 達也は?という顔になって、 「ちゃる…おまえ、元彼と会う約束でもあるのか?」 「約束というか…仕事で…」 「うーん…仕事…。でも妬けるなあ」 「達也…」 「冗談だよ!ちゃるを信じてるから、大丈夫」 ビールをグーっと飲む達也の顔が 突然にじんで見えた。 「ちゃる?どうした??泣いてんのか??」 「なんでもない…」 ちゃるはあわてて目をこすった。 そんなちゃるの様子を見ていた達也は、 ちゃるの頭にゆっくりと手を置いた。 「ちゃるが泣いたら俺も泣きたくなるから、 もう泣くな」 「うん…ごめん、達也…」 「よっぽどいいオトコなのかぁ~ おまえの元彼…」 うん…ユノだもん。 でも、今は達也の事が一番好きだよ。 「ちゃる、この後ラーメン喰いに行こうか」 「いいよ。ラ~メン♪ラ〜メン♪」 「なんだあ、その歌(笑)」 「ラーメンうた…」 あのグループの… ユノのインタビューは2日後にせまっていた。  
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