ハッピーバースデー

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「おいー、しっかりしろよ」 戸川勲は周りに呼びかけた。 「今日は大事な日なんだから」 何でも今日は旧友の誕生日なんだとか。 そのために、早起きして支度して、ケーキまで買いに行った。 友人は少し濃いめの抹茶味のケーキが好きらしい。 戸川はホールで買うかどうしようか迷った。 ホールで買えば、あわよくば自分もそれなりに食べられるのではと思った。 そう、抹茶ケーキ好きなのは友人だけではない。 友人の誕生日と称して、己が楽しみたいだけなのだ。 とはいえ友人の誕生日という建前、何かしなくてはならない。 そこで思いついたのが、サプライズである。 どう言う方法かというのは、結局明かされなかった。 その代わり、みんな楽屋のようなところへ連行された。 絵の具セットのようなものが散らかっており、お世辞でもきれいとは言い難かった。 さて、何を始めようと言うのだろうか。
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