ハッピーバースデー

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亮太は窓を開けて、耳を澄ました。 相変わらずゾンビたちは呻き声を上げていた。 人間というものは不思議で、どんなに不快なものでもある程度継続していると慣れてしまうものだった。 ゾンビの声は、さほど苦痛ではなくなっていた。 それよりもさっきの声は何だったのだろうか。 亮太はそれが気になって、仕方がなかった。 「おい、馬鹿。ちゃんと、あぁ゛ーとかうゔーとかいっとけよ」 今、確かに喋った。 亮太は聞き逃さなかった。 こいつらゾンビのフリしてやがる。 暇なのか? 「誰だ。人んちの前で」 亮太は抑え気味で声を張った。 ゾンビの容姿をした連中に、話しかけるのはやや複雑だった。 「・・・・・・うゔー、あー」 しらを切るつもりらしい。 「うぉらあ!」 亮太は本気で叫んだ。 ゾンビたちはたじろいだ。 それと同時に苦笑いもした。 「亮太ぁ、これを見破るなんてやるなあ」
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