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蓮、倒れる ②
病院の受付に行くと、そこには真司の到着を今か今かと待っていた大山が、
「佐々木さん!こちらです!」
真司の姿を見つけるや否や、そばに駆け寄ってきた。
「蓮の容態は!?」
病院内ということもあって、真司は声を落としたつもりだったが、少し声を張ってしまう。
「診察が終わり、今は安定しているようです」
「意識は…」
「戻られてます。診てくださった先生が、真司さんとお話がしたいと言う事で…。とりあえず、蓮さんのいる病室へ」
移動しながら早口で話す大山から蓮の容態を聞くと、真司は少しホッとした。
とりあえず意識は戻った。
本当に良かった…。
でも蓮に会うまで、まだ安心はできない。
大山は蓮の病室のドアをノックすると、
「はい」
蓮の声がした。
「蓮!」
大山と一緒に部屋にはいった真司は、
「蓮、体調は?」
ベッドで体を起こし座っていた蓮の所へ、一目散に駆け寄った。
「大したことないよ。大事にしてしまって、ごめん」
蓮は申し訳なさそうに苦笑いする。
「そんな事ないよ…。でも本当に良かった…蓮が無事で…。蓮にもしものことがあったら…俺は…」
真司はベッドのヘリに座り、蓮の手を握った。
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