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「お話中のところ、すみません」 背後から男性の声で話しかけられた真司は、ビクッと驚き、声のする方へ振り返り立ち上がる。 「はじめまして。私はさんの担当をした、葉山といいます」 そこにはスラッと背が高く、優しげな面持ちの白衣を着、タブレットを持った医師がたっていた。 「はじめまして、佐々木と言います」 声を掛けられるまで、背後に人がいたことに気づかなかった真司は立ち上がり、蓮の事を『佐々木さん』とは呼ばず、『蓮さん』と呼んだことを少し疑問に思いながらも、あえてそこには触れず、挨拶をした。 「診察をさけていただき、蓮さんは睡眠不足とホルモンの変化によるものという結果となりました」 睡眠不足とホルモンの変化…。 やっぱり蓮、無理をして睡眠不足になっていたんだ…。 それより、ホルモンの変化って…。 「先生、ホルモンの変化は大丈夫なんでしょうか?」 蓮にもしも何か異常があれば、徹底的に調べてほしい。 食い入るように真司が、葉山を見ると、 「おめでとうございます。5週目になります」 ニコニコと微笑む葉山の姿が目に飛び込んできた。 おめでとうございます? 5週目? ???? 何が? 真司は意味がわからないと蓮を見ると、蓮も嬉しそうに微笑んでいて、もう一度葉山を見ると、葉山も微笑んだままだ。 「……あの……5週目…とは…?」 真司1人分からず、首を傾げていると、 「赤ちゃん」 蓮が愛おしそうに自分のお腹を撫でる。 赤ちゃん? 5週目? 赤ちゃん…、5週目!? 赤ちゃん!?5週目!?!? 驚きすぎた真司は言葉が出ず、目を見開き口をパクパクさせてた。 「そうだよ、真司。俺たちの赤ちゃん、授かったんだ」 蓮は目に感動の涙をため、嬉しそうに顔をくしゃっとさせ笑った。
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