!!!! ②

1/1
前へ
/34ページ
次へ

!!!! ②

まさか…本当に!?!? 真司は目を見開いたまま、またゆっくり蓮と同じ目線になるようにしゃがみ、手を握る。 「真司、触って。ほら、ここに新しい命が宿ったんだよ」 蓮が真司の手を自分のお腹の上にそっと置いた。 「真司、お腹に新しい命が宿るなんて、奇跡みたいだ。そう思わないか?」 蓮のお腹の上に置いている真司の手が、震えている。 蓮のお腹に、新しい命が宿ってる。 俺と蓮の赤ちゃん。 本当に奇跡みたいだ。 真司の胸が熱くなり、目頭も熱くなる。 今、赤ちゃんはどうしてるんだろう? 蓮のお腹の中で、一生懸命大きくなっているんだろうか? 「!!」 蓮が真司の手の上に手を重ねると、真司の熱くなった目頭から涙が一気に溢れた。 真司は蓮から『お腹に赤ちゃんが宿った』と伝えられても、何も言葉を発していなかった。 いや、言えなかったのだ。 驚きすぎて、嬉しすぎて、気持ちが昂りすぎて、何をどう表して良いかわからなくなっていた。 だが、蓮のお腹に手を置いて、その手の上に蓮の手が重なると、家族3人が手を繋いだような感覚になり、今まで真司の喜びが溢れ、涙となって流れ出した。 「真司、わかる?ここに赤ちゃんがいるんだよ」 蓮が真司に優しく語りかけると、 「うん…、うん…」 涙を流しながら真司は頷く。 「嬉しい?」 優しく微笑む蓮の目にも涙が溜まる。 「嬉しすぎて、涙が止まらない」 真司は蓮のお腹を、そっとそっと撫でる。 「蓮、俺頑張るから…。蓮とこの子、命に変えても守っていくから…。蓮、ありがとう、本当にありがとう…。俺と蓮の赤ちゃん宿してくれて、本当にありがとう」 そういうと、真司は蓮を抱きしめた。 この時真司は、蓮と新しい命、2人を一緒に抱きしめたのだった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加