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!!!! ②
まさか…本当に!?!?
真司は目を見開いたまま、またゆっくり蓮と同じ目線になるようにしゃがみ、手を握る。
「真司、触って。ほら、ここに新しい命が宿ったんだよ」
蓮が真司の手を自分のお腹の上にそっと置いた。
「真司、お腹に新しい命が宿るなんて、奇跡みたいだ。そう思わないか?」
蓮のお腹の上に置いている真司の手が、震えている。
蓮のお腹に、新しい命が宿ってる。
俺と蓮の赤ちゃん。
本当に奇跡みたいだ。
真司の胸が熱くなり、目頭も熱くなる。
今、赤ちゃんはどうしてるんだろう?
蓮のお腹の中で、一生懸命大きくなっているんだろうか?
「!!」
蓮が真司の手の上に手を重ねると、真司の熱くなった目頭から涙が一気に溢れた。
真司は蓮から『お腹に赤ちゃんが宿った』と伝えられても、何も言葉を発していなかった。
いや、言えなかったのだ。
驚きすぎて、嬉しすぎて、気持ちが昂りすぎて、何をどう表して良いかわからなくなっていた。
だが、蓮のお腹に手を置いて、その手の上に蓮の手が重なると、家族3人が手を繋いだような感覚になり、今まで真司の喜びが溢れ、涙となって流れ出した。
「真司、わかる?ここに赤ちゃんがいるんだよ」
蓮が真司に優しく語りかけると、
「うん…、うん…」
涙を流しながら真司は頷く。
「嬉しい?」
優しく微笑む蓮の目にも涙が溜まる。
「嬉しすぎて、涙が止まらない」
真司は蓮のお腹を、そっとそっと撫でる。
「蓮、俺頑張るから…。蓮とこの子、命に変えても守っていくから…。蓮、ありがとう、本当にありがとう…。俺と蓮の赤ちゃん宿してくれて、本当にありがとう」
そういうと、真司は蓮を抱きしめた。
この時真司は、蓮と新しい命、2人を一緒に抱きしめたのだった。
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