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退院
退院の日。
真司は休みを取り面会時間始まる30分も前から、病院の側の喫茶店で待っていいて、昨日からソワソワとニヤニヤが止まらない。
蓮とお腹の赤ちゃんが、今日帰ってくる。
楽しみで仕方ない。
蓮の体調が落ち着いたら、一緒に必要な物買いに行きたいな。
あ!時間になった!
先ほどからチラチラと時計で時間を確認していた真司は、時計の秒針が『12』になった瞬間、席を立ち蓮の病室へ向かった。
「蓮、体調は?」
病室に着いた真司は、まずはじめに蓮の頬にキスをしてから、蓮の荷物を持った。
「いいよ。葉山先生も問題ないって。ただ…」
蓮が少し困った顔をし、真司はドキッとする。
やっぱり何かあったのか?
「2、3日は念のため仕事は休んだ方がいいって」
「そっか…。でも体調が落ち着いたら、また仕事に行けるんだろ?急がば回れだよ」
落ち込む蓮の手を、真司は握った。
蓮は責任感が強い。
大山さんは今、仕事が忙しいと言っていたから、多分蓮は忙しい時に休むのは気が引けるんだ。
「俺も休み取ったから、今日は二人、家でゆっくりしよ」
真司が優しく微笑むと、蓮は嬉しそうに微笑み頷く。
「あ!オイルマッサージ調べたから、今日してあげるよ」
真司が言うと、
「あはは!こんなに早くオイルマッサージしてもらえるとは思ってなかったよ」
楽しそうに蓮は笑い、真司の手を握り返し病室を出た。
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