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 そもそも何で課題人材とやらが俺だったのか、気になったので聞いてみた。 「ランダムで割り振られるので特に理由はありません」  だそうだ。  魔法なんて非現実すぎて、胡散臭さしかないが、俺はジュリの課題とやらに付き合って早く出て行って貰おうと考えた。 「で。さっき言ってた恋の魔法ってやつ、万が一掛かったらどうなんの? 俺はずっとお前を好きでいんのか?」  昼メシにカップ麺を食べさせて、空の容器をシンクに置いた。ジュリは手前のティッシュボックスからその一枚を抜き取り、口を拭いている。 「それは大丈夫です。魔法が掛かった時点であなたを学園にお連れしますので、先生に評価を貰ったらその場で魔法を解いて貰います」  なるほど。  という事は一生ロリコンという可能性はないわけだ。 「それじゃあ、ちゃっちゃと魔法を掛けて学校に行って、俺の平穏ライフを返してくれ」  ジュリは、ん、と目を見張り、宅配便で届いた分厚い本に手を伸ばした。よく分からない異国文字で記されたそれは魔術書らしい。  彼女が表紙に手を翳して短い呪文のようなものを唱えると、空中に短い杖が浮かび上がった。  魔法の杖だ。
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