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厄介な宅配物が届いてから数日が流れた。
「ただいま」
「お帰りなさい、キラさん!」
一人暮らしの部屋なのに、帰宅の挨拶を口にしているのが何となく可笑しい。仕事から帰った部屋で、誰かが待っていてくれるのも悪くないと思った。
細い廊下を歩き、キッチンに移動する。
悪戦苦闘が窺える台所周りを見て、どっと疲れが増した。
……前言撤回。
「あのなぁ、勝手に使うのはいいけど、ちゃんと片付けておいてくれ!」
そう文句を言ったところで、鼻先にズイと皿を寄せられた。
シチューだ。
湯気の上がるクリームシチューを見て、腹の虫が鳴った。
「晩ご飯頑張りましたので、食べましょう、キラさん!」
「あ、ああ」
居候の身だからという理由で、ジュリが俺の手助けをしたいと言ったのは、彼女が来た翌日の事だった。
部屋に置いた物には一切触らないと条件を付けて掃除機をかけてもらったり、洗濯をしてくれるのは正直、助かる。料理に関しては、要領は良くないが、味は悪くない。
「うん、うまかったよ」
ご馳走さま、と手を合わせると、ジュリがまた何かを差し出した。小皿に入ったチョコレートだった。
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