冷たい彼女は今日も返事をしてくれない

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「おい……なんか言ってくれよ、なんでもいいんだ。  僕はずっと君を愛してるんだ」 相も変わらず、今日も彼女は返事をしてくれない。 「本当に…………なんでもいいんだ、言葉が欲しいんだ」 彼女の心は今日もカチカチに凍っている。 僕が何処ほど彼女を想っていても、 言葉を尽くそうと、そんなものは無意味だと言わんばかりに。 「ホントに些細な事で良いんだよ……なぁ、そんなに僕の事が憎いのか?」 話しかけても、ひたすらにノーリアクションだというのは、 やはりきつい。 僕の方に顔を向けてくれることすらない。 「頼むよ……教えてくれ。僕はどうしたらいいんだ?  どうしたら、僕と話をしてくれるんだよ?」 生返事でも、適当な相槌でもいい。 何なら、僕の話なんて聞いてなくて、 ただ、罵倒するだけでもいい。 「僕はどうしたら良かったんだよ…………本当にさ」 今日も彼女は、穏やかな顔をして不機嫌だ。 何故? どうして? こうなったんだ? 「教えてくれよ。  だってさ、言ってくんなきゃさ。解らないだろ?  悪い所だって、直しようがないじゃんか」 彼女が入っている医療ポッドには、 コールドスリープと書かれている。 「こんな事をするなら、何で話してくれなかったんだ…………。  どうして、伝えてくれなかったんだよ…………」 彼女が冷凍睡眠を選んでから、二年。 今日も彼女は、言葉を返してくれない。 すれ違いからの。 お互い、たった一回の過ちだったのに。 「僕は君の声が聞きたいよ…………」
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