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黒い翼を広げ、私に雨が当たらない様にしてくれるから、泣きたくないのに、涙が流れた。
「今は話すな」
そう言った琉果が私の身体を抱きしめた事が分かった時には、空中に浮かんでいた。
何処に向かっているか分からない。
それでも抵抗する事が出来ない私は、温もりを求めていたのかも。
『…自転車…』と呟いた声は、琉果には聞こえる事なく地面に落ちていく。
堕天使だと言う琉果。
私に契約しろと言う琉果。
でも、どうして私だったのかな?
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