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「凛、此処に居ろ」
ベッドサイドに腰掛けた琉果が右手を私の左の頬に手を添え、親指で涙を拭ってくれる。
冷たい琉果の手なのに、凄く暖かく感じて、頷いた様に思う。
睡魔に負けそうな気がして、瞼を閉じた私の耳に聞こえてきたのは、琉果の声。
「明日になれば親との記憶は消える。
凛は生まれ変わるんだ。
俺の傍で」
意味を理解する事が出来ない私はきっとまだまだ子供だと思う。
堕天使だと言う琉果。
私にしか見えないと言った琉果。
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