#03 林檎入りマカロニサラダ

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#03 林檎入りマカロニサラダ

日曜日、ひとり、何の予定もなく、ソファでゴロゴロしながら本を読むのが幸せ。 こんなことでいいのかなとも思うが、私が幸せと感じるんだからこれでいい。 昼下がり、朝から何も口にしていないことに気づく。 お腹空いたな。 身体を起こし、キッチンに立つ。 何かいいものないかな。 あった、いいもの。 ショートパスタのカサレッチェがまだ残っていた。カサレッチェとは、断面がS字型をした、もっちりした食感のショートパスタで、最近これにはまっている。 そして冷蔵庫を開けるとハムと胡瓜、かごには新玉葱が入っている。 よし、これでマカロニサラダを作ろう。 大鍋に水をはり、火にかける。 お湯が沸くまでの間に、胡瓜と新玉葱を薄く切って、軽く塩をまぶす。パスタが茹であがる頃には、ちょうどいい塩梅にしなっているだろう。 そういえば、子供の時、おばあちゃんがよくマカロニサラダを作ってくれた。その中には茹で卵のみじん切りやスライスした林檎が入っていて、美味しかった。孫を喜ばせるために、豪華にしてくれたんだと思う。他のおうちのマカロニサラダにも入っているのだろうか。 お湯が沸いたのでカサレッチェを投入する。カラカラカラといい音がした。タイマーをセットする。 そしてボールを取り出し、胡瓜と新玉葱の水気を絞って入れ、ハムも細く切って入れる。 茹で卵と林檎はないので、省略。 本を持ってきて続きを読んでいるとタイマーが鳴った。 カサレッチェをざるにざーっとあけ、湯気の立ち上がる中、お湯を切り、ボールに投入する。冷蔵庫からマヨネーズを取り出して混ぜた。 味見をする。おばあちゃんのマカロニサラダとは少し味が違う、もう少し濃かったかな。おばあちゃんの愛情がたっぷり入っていたからかもしれない。おばあちゃん、ごめん。まだ当分ひ孫の顔は見せられそうにないから、元気で長生きしてね。 大きなサラダボールに移して、テーブルに運んだ。白ワインを開けてサブスクのチャンネルで映画を探す。何を見ようかな。
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