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一日
朝起きて歯を磨き、顔を洗う。
着替えたら庭へ行き、水をやり手入れをする。
朝ごはんを食べてお茶を飲んだら、お弁当を受けとる。
そのお弁当を手に、畑へ行く。
お昼になればお弁当を食べ、再び畑仕事をする。
夕方になり家へ戻ると、お風呂にはいる。
孫と遊び、夕御飯を食べお酒を飲む。
テレビをみて眠くなったら布団に入り、夢の中へ行く。
代わり映えのない毎日。
歯磨き粉は、歯茎をケアする物でいつも妻が選んでいる。お陰で歯茎はまだまだ健康だ。
庭は私が水をやり草を抜く。水滴が朝日を反射して辺りが目映く輝きはじめると、妻が朝ご飯ができたと呼びに来てくれる。
野菜が沢山のお味噌汁に、魚や卵など、その日の妻の気分で献立は変わる。熱過ぎないお茶は飲みたいときにいつもある。
おにぎりとおかずとお茶のタンク、農具をトラックに積み、妻と畑へ行く。
太陽が真上へ昇るころ二人でおにぎりとおかずを食べる。ここでの会話はここ数年孫の事ばかりだ。
家に帰り、トラックを軽く洗い農具を片付けていると、妻がお風呂が沸いたと声をかけてくれる。
肩までお湯に浸かり、凝り固まった腰や首をほぐす。その後いつもふかふかのタオルで体を拭く。
四人の孫達とそれぞれ遊んでいると夕御飯が出来上がる。
何十年とずっと食べているが、飽きることがない。ずっと美味しいままの妻の作る食事。
眠るまで妻と話す内容はいつも、何でもない様な事ばかり。テレビをみて共に笑い、クイズ番組で反応が遅くなったと笑われ、歌番組に二人してついていけなくなり、孫に笑われる。
そして心地の良い眠りを、与えてくれる布団。
この毎日は、私の妻が長年変わらず私に与えてくれているもの。
毎日、毎日。笑顔。
代わり映えのない一日を、幸せな一日にしてくれる。
我が家には、幸せを造り上げる妻がいる。
私はそんな素晴らしい妻に、何が出来るのかいつも考えてまだ何も出来ずにいる。
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