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「あのー、王様」
「なんだ?」
「いや、あの、やっぱり妻とは戦えません。
だって母ちゃん、あ、妻はいつも飯作ってくれるし、掃除だってしてくれる」
「それに...愛してるんだ」
「お、お前は王の言うことが聞けんのか!」
王様がそう言うと、掃除婦の女が1人、その兵士に向かって飛び込んでいきました。
「あんた、私も愛してるよ」
2人は抱き合いました。
それをみた他の兵士と召使いたちも
カップル同士、夫婦同士で互いに抱き合い始めました。
それをみた王様は呆然と立ちつくしました。
「なんだ...これは......」
お妃様はその王様の横に歩いて行きました。
「美しいですね。皆のものに救われました。私たちが間違えていたのでしょう」
「ワルツを!」
お妃様は音楽隊に命じました。
王座の間には、優しいワルツが鳴り響き、
皆それに合わせて踊りだしました。
お妃様は、王様に寄りかかりました。
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