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店の外に停めていた自転車まで戻り、紙袋を前カゴに突っ込んだ。
紙袋を受け止めた自転車が、荷馬車を引く馬のようにブルっと震える。
(これでいっぱいだな……)
仕方なく、カバンはカゴに入れずに肩にかけたままにした。
巨大な荷物に比べ、ハンドルを持つ手がひどく頼りない。
せめて、この愛車が家まで耐えてくれることを願う。
「待ちなさい」
背後から、慌てた声がした。
秀樹が振り向くと、さっきのお爺さん店員が店から小走りで出てきた。
「これ、持っていきなさい」
「えっ?」
何のことか分からずに、新たな紙袋を受け取る秀樹。
袋の口を開けて中を覗くと、二つの箱が入っていた。
片方の箱には見覚えがあり、秀樹は反射的にそれを取り出した。
「シルバーライトじゃないですか!」
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