タイプX

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それをキャッチし、秀樹が封筒の送り主を確認する頃には、とっくに麻衣はドアを閉めて去っていた。 郵便番号も住所もない。 ただ、S・Sと書いてある。 「誰だ?」 不思議に思ったが、封筒の薄さからして、恐らく紙切れ一枚くらいしか入っていないだろう。 とくに危険なものを入れるスペースもないと踏んで、彼は封筒を開封した。 中にはやはり、紙切れ一枚。 『この番号からかけます』 綺麗な文字でそう書かれた一文の下に、携帯の番号だと思われる数字が並んでいた。
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