44人が本棚に入れています
本棚に追加
/521ページ
注文を取りに来た店員にコーヒーを頼む秀樹。
「あの、その本って、どんなやつ?」
とりあえず、先ほどまでサリアが読んでいた本について聞いてみる。
「量子物理学の、やさしい入門書です」
「難しすぎて禿げそう」
「禿げないでください」
困ったように笑うサリア。
「本当にやさしいものなんですよ? 最近のSF映画などでも使われているので、その理解の一助になればと思いまして」
当たり障りのない会話をしていると、やがてコーヒーが運ばれてきた。
サリアも秀樹が来た際に追加のコーヒーを頼んでいたので、ほぼ同時に口をつける。
「それで、教えてもらいたいんだけど」
ソーサーにカップを置いたところで秀樹は切り出した。
サリアは穏やかな目で見つめてくる。
「あの、仙山さんとあの蕪木って人が使っていたような力は、何なの?」
最初のコメントを投稿しよう!