タイプX

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「人によって程度はあれど、能力者は生まれつき、その力を使えるものです。よく分からないですが、ゲームから力を得るなんて……」 「えっ、みんな違うの?」 「……もしかして、あなたはそうなんですか?」 そこでようやく、サリアの目から変なものを見るような雰囲気は消え、好奇心の色が映った。 どうやら、秀樹が力を得た経緯と、サリアたちのそれとは違うようだ。 一応、ゲームソウルをもらった話から全て、サリアに話してみた。 彼女は最後まで口を挟まずに聞いてくれた。 能力者同士の戦いに慣れているくらいなのに、秀樹の体験は彼女にも奇異に聞こえたらしい。 「聞いたことがない……話ですね」 話が終わっても、彼女はどこか納得がいかないようだった。 「その、ゲームソウルという特殊な装置を使うことで、ゲームの主人公に変身する力が身についたのですよね?」 「そう……だけど」 何か間違っているものを正すようなサリアの声色に、秀樹は少し気後れしてしまう。 能力者という存在が既に特異なものだが、その中でも秀樹が力を得た経緯は、飛び抜けて奇妙なものらしい。
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