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それに最近、自主トレではステータスがほとんど上がらなくなってきたこともある。
そろそろ人に訓練してもらわないと、伸び幅は期待できないだろう。
「勿論ですよ」
サリアは快く了承してくれた。
「もともと、私はそれが任務なんです」
「え? どういうこと?」
「私が課せられた使命は、能力者をスカウトし、鍛え上げること。だからこそ、能力者たちのことは日頃からリサーチしていて、詳しいんですよ?」
サリアは得意そうに笑った。
本当に、胸を抉られそうなくらいに美人である。
どうやら、烏丸が『あの女子高生』と言っていたのは、やはりサリアのことで、彼女は以前に烏丸に接触したことがあるらしい。
「烏丸……彼も、私たちの団体に加わってくれればと思ったのですが……」
烏丸が罪のない人々を傷つけていったことを思い出し、残念そうに俯くサリア。
その後、訓練の日程について話し合い、やがて席を立つ頃合いとなった。
「あの、ここはオレが」
伝票を持って立ち上がる秀樹。
サリアは申し訳ないと言ったが、これからお世話になることへのお礼の一部と言って、そのままレジに向かった。
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