2対1

6/15
前へ
/521ページ
次へ
「やっぱり……分かるんですね」 山田の不思議な力に、もう秀樹は驚かない。 「うん。今回は、人間以上の力を持つキャラにも変身できるようにしておいたよ。要求されるステータスは厳しいが、頑張りなさい」 前回と変わらず、新しい力を与えてくれたらしい。 きっとこの老人は……またレベルが一定程度上がった時に現れるのだろう、そう秀樹は思った。 山田が秀樹の背後を見て、苦笑いを浮かべる。 秀樹が気づくと、次の客がレジで精算しようと背後に待っていた。 慌てて順番を譲り、入口近くに立っているサリアの方へ向かう。 「お知り合いですか? あの店員さん」 どうやらサリアは、秀樹と山田のやりとりを見ていて、顔見知り同士であると思ったらしい。 「まあ、ね。あれが例の山田さんだよ」 「えっ!」 サリアは驚き、もともとつぶらな目がさらに大きく見開かれた。
/521ページ

最初のコメントを投稿しよう!

44人が本棚に入れています
本棚に追加