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とりあえず、今は接客中で忙しそうなので、山田と話したそうにするサリアを説得して、後日会ってみてはと秀樹は提案する。
彼女は名残惜しそうに山田の顔を見たあと、了承してくれた。
店を出ると、少し温かい風が吹き付けてきた。
5月も半ば近くになると、もう夏が目の前に迫る感じがする。
「そうですか……また新しい力を引き出してくれたんですね」
今回2回目である、山田の不思議な力についてサリアに伝えると、彼女は考え深げに聞いてくれた。
是非とも、後日早々に彼に話を聞いてみるつもりらしい。
「どうしますか? もう今日は帰りますか?」
「そうだなぁ……」
サリアの問いに、歩きながら考える秀樹。
「じゃあ、訓練する場所っていうのを、少し見せて……」
秀樹が隣のサリアに話しかけた時だった。
サリアが自身の唇に手を当てていた。
「つけられてますね。2人、だと思います」
秀樹は思わず後ろを振り返りそうになった。
が、サリアに目で止められた。
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