44人が本棚に入れています
本棚に追加
(えっ? 今目が光ったってことは……)
サリアを注視していた秀樹は気づいた。
能力者は目を特有の色に発光させることで能力を発動するはず。
だが、蕪木との戦いでも、サリアは目から光を出すことはなく、能力を発動していた。
「今、本気を出したってこと?」
秀樹は目を大きく開きながらサリアに問う。
彼女はうなずく。
だが、うなずいた時には既に、井戸田と呼ばれる刺客の背後に回り込んでいた。
まさに瞬間移動のようなスピード、常人には目で追うのがやっとだ。
「井戸田、後ろだ!」
「くっ……」
上空の高橋の声で、井戸田は背後を振り向こうと首をひねる。
だが既に、サリアはカーディガンに隠していた例のホルスターに手を触れている。
そして、短いホルスターに収まるには長すぎる、白いサーベルを引き抜いていた。
最初のコメントを投稿しよう!