2対1

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(えっ? 今目が光ったってことは……) サリアを注視していた秀樹は気づいた。 能力者は目を特有の色に発光させることで能力を発動するはず。 だが、蕪木との戦いでも、サリアは目から光を出すことはなく、能力を発動していた。 「今、本気を出したってこと?」 秀樹は目を大きく開きながらサリアに問う。 彼女はうなずく。 だが、うなずいた時には既に、井戸田と呼ばれる刺客の背後に回り込んでいた。 まさに瞬間移動のようなスピード、常人には目で追うのがやっとだ。 「井戸田、後ろだ!」 「くっ……」 上空の高橋の声で、井戸田は背後を振り向こうと首をひねる。 だが既に、サリアはカーディガンに隠していた例のホルスターに手を触れている。 そして、短いホルスターに収まるには長すぎる、白いサーベルを引き抜いていた。
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