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井戸田の右手から粘着性の糸が発射される。
だが、サリアが瞬時に左手を井戸田の腕に当てたことで、糸は誰もいない方向へと飛んでいく。
一閃。
一矢報いることも叶わず、井戸田はサリアの剣の一振りに、地面に倒れ伏す。
彼から噴き出された返り血が大量に宙に舞う。
だがその赤い血が服に着くより先に、サリアは地面を蹴っていた。
彼女のいた地面に井戸田の血が落ちる。
その瞬間には既に、サリアは上空にいる高橋めがけて急接近していた。
「うおっ!」
すんでのところで翼をはためかせ、高橋は空中を横に移動する。
跳躍してきたサリアの剣先が触れるか触れないかのギリギリだったが、一撃を回避する高橋。
「今度はこっちのば……」
「いえ、終わりです」
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