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秀樹の言葉を聞いて、タクシー運転手に扮した山田は楽しそうに肩を震わせた。
「ふふ、あらかた好きなゲームをインストールし終えたかね」
「まあ、そんなとこですね。あー、近くのハンバーガー屋まで」
「はい、了解ですよ」
山田はシフトレバーを操作し、車を滑らかに発進させる。
窓の外の風景が流れていく。
それを見ていると、先ほど見たショックな光景も頭の奥に流れていくのが感じられた。
「オレがレベル40に達したから、来てくれたんですよね」
「その通り。もう法則はわかってきたようだね」
「ゲーム脳ですからね。レベルが10上がるごとに来てくれることは、割と早く気付きましたよ」
山田との会話は、まるで何度も繰り返しているかのように進んでいく。
やり尽くしたRPGゲームで、レベル上げに洞窟を無意識レベルで歩くように。
「だがね、今回はレベルのことだけじゃないんだ」
信号が赤になり、タクシーが停まる。
「君に伝えておきたいこともある」
「なんです? オススメの中古ゲームですか?」
「それもいいがね……だが、違う」
信号が青になり、山田がアクセルを踏んだ。
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