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秀樹は慌てて日記を閉じた。
心臓がバクバクする。
頭も絞めつけるように痛い。
ただウェブサイトに文字化けが映ったのなら、サイトがエラーを起こしているのだと分かるだろう。
「でも、コレって」
オレが書いたやつ……なんだよな?
書いた文字が、まるでパソコンの画面のように文字化けする。
あり得ない。
だが、この数ヶ月で能力者たちと出会ってきた秀樹にとっては、あり得ないと切り捨てていいものか迷いがある。
「そうだ……」
日記をつかむと、秀樹は自室を出る。
廊下からすぐに見えたドアを叩いた。
「麻衣! ちょっといいか!」
反応がない。
寝ている可能性は多分ないだろう、高校生が早寝することは大抵ない。
秀樹は更に強くドアを叩いた。
「……っさい!」
不機嫌そうにドアを開ける麻衣。
音楽を聴いていたのだろう、ヘッドホンを首にかけている。
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