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それは少し古いソフトだった。
長い年月を経て、いくらか色褪せている。
パッケージの真ん中には、全身をメタリックな銀色のアーマーで覆ったヒーローが、拳を突き出して空を飛んでいた。
「シルバーライト、か。知ってるのかい?」
「あ、はい。持ってはいないんですけど……」
思い入れのあるゲーム。
脳内を昔の記憶が駆け巡り、懐かしさで顔が綻ぶ。
「もしかして……初めてやったゲームが、これだった。かね?」
「えっ」
図星だった。
言い当てられて、秀樹は動揺するのを隠しきれない。
些末なことだが、この店員が知っているとは思えない事実。
普通に考えれば、たまたま当たったのだろう。
でも何故か、確信を持って言い当てたようにも聞こえた。
……そんな思考が頭をグルグル回り、秀樹の目は何も捕らえなくなる。
その間に、お爺さん店員はバーコードを全て読み取ったようだ。
「お会計、いいかね?」
「もちろんす」
若干変な口調になったが、すぐに財布を取り出す秀樹。
お釣りが少なくなるように配慮し、効率の良い支払いを見せた。
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