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夏期講習が終わり、家に戻るともう夕方だった。
単語帳の在処が気になった僕は、部屋の本棚にしまったままであろうそれを探した。
程なくして単語帳は見つかり、僕は本棚から取り出した。
「これをやってみるしかないかなー」
独り言を呟きながら、僕は単語帳を開いた。付箋が最初の数ページだけに付いている。これは僕が貼ったものだ。
僕は、この単語帳を全く開いたことがなかったわけではなく、最初の数ページ程度はやってみた。
しかし、真ん中にも差し掛からないうちに怠けてしまったので付箋は最初のうちにしか付いていない。
付箋の付いていないページ、つまりは僕が読んでいないページには真衣先輩が使っていたときに引かれた蛍光ペンのラインやメモなどが書かれていた。
真衣先輩はしっかり勉強していたんだな、そんなことを思っているとページを押さえていた親指が滑り、一気にページが進んでしまった。
最後の数ページまで進んでしまったそのとき、何かが目に入ったような気がした。
白いページ背景、青色の見出し、黒と赤の文字、そのどれでもない色なので違和感があった。今のは、なんだ?
何かピンク色の付箋のような――。
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