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目が覚めたら魔王城
俺は普通の高校生だ。
本当に、どこにでもいる普通の高校生。
ただ少しだけ、両親が特殊というだけで。
父は元殺し屋。
母は別世界から来た住人。
母はこちらの世界と別世界とで、父の姉であり、妹であり、妻であった。
2人は元々、別世界に住まう者同士だったが、どうにかこうにかして結婚したのだと。
父の妹、紅葉が死去してから2年後、俺の母である千尋が現れ、母は殺されるために。父はそんな母を救うために、父の家へと向かった。
神々から、殺されることを命じられていた母に本音を言わせ、素直になった母を助けるために、父は己の命を賭けて、世界を繋ぐゲートに足を踏み入れ……って、分かるか!
俺はそこで整理することをやめた。
この話は、父と母から何度も聞かされる(?)聞いているが、一向に理解出来る気がしない。
「ーー佑夜、お前は大体何でも出来てしまうが、この手の話になると、本当に理解力が低下するな! 不思議なやつだ」
黒と白が混ざった髪色、夜だからという理由から、グレーのスウェットを着て、お茶を啜っている。もう、完全におじいちゃんだ。
そんな父は、声を立てて笑った。
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