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数日後の話
今日は妙によく眠っていたと思う。だって、朝起きたらもう昼だったから。昨日何したかを思い出そうと頑張る。
確か昨日はノアに頼まれてノアの魔術指導させられてた。私とノアが楽しそうに見えたらしいシノものってきて、二人の指導させられて走り回らされて疲れ切ってたんだった。
「ユイちゃん、おはよう。ずいぶん遅くまで寝てたね」
「誰のせいだと思ってるのよ」
「誰でもない人―。ふふー」
いたずらっぽく笑うノア。
「二人から伝言。今日は買い物行く予定だから早く準備して、だって」
「えー、どうしても―?人が多い所はやだ」
「どうしても、だよ。あ、もしかしてユイちゃん人見知り系?」
「まあ、ね。そんなにひどくないけど、人が多い所は苦手だし、全くの初対面の人で、雰囲気いい人でも時々話せないくらいだけど」
「へーそーなんだ。じゃあなおさらだね!早くしないとおいてくよ!」
と言いながら、部屋を出ていくノア。私はベッドから降り、着替える。あの事件以降ずっと服が変わらなくって、着替えるっていうのが新鮮に感じる。
準備などを済ませ、館の外に出ると、そこには三人が待っていた。
「遅いよー、ユイお姉ちゃん」
「仕方ないって。ついさっきまで寝てたんだから」
「そうだよ、シノ。それに、寝かせておいてって言ったの僕だし」
少し怒ったように言うシノ。確かに起きたのは遅かったし、何故起こさなかったのかは謎だったけど、シアさんが起こさないでって言っていたからなんだ。優しい。
「悪かったって。今日は好きなこと一つだけさせてあげるから、さ」
「やったー!じゃあクレープ食べたい!」
「分かったよ。クレープ買ってあげるから」
喜ぶシノを見て、自分は何味を食べようか少し考える。多分行くのは数か月くらい前に行った店になると考えて。
「早く行かないと店閉まるかもよー」
「それはないって」
「分からないよー」
からかってくるノア。私の記憶だと放課後もやっているから、そんなに早く閉まるってことはないと思ってる。何か変わってなければの話だけど。
「じゃあそろそろ出発しましょうか」
「そうですね。行くよ、ノア」
「はいはい、分かってるよ」
そうやって私たち四人は市街地に向かう道を歩いていく。
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