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それからは自分でも気付かぬうちに、私の視線はいつも彼を追っている。
一番好きなのはチョークを持っているときの指先。
用事がある振りをして、彼の授業があるときはいつも廊下越しにこっそりと眺めている。
もちろん、部活中にユニフォームから覗く鎖骨や二の腕も堪らない。
いつか触れることができた日には、存分に舐めてから歯形がつくまで噛まなくちゃ。
彼に悪い虫が寄らないようにーーーー
「今日はまだ眼鏡を外してないのね」
授業中につけている銀縁の眼鏡も、部活の指導中と帰り際には外している。
そういえば、あの飲み会のときも眼鏡はしていなかったっけ。
「あっ……」
ウェアから太ももをチラつかせ、彼の元へと無邪気に駆け寄る一人の生徒。
二人で何かを話したあとに、その女子生徒は彼の顔から眼鏡を取った。
「またあいつ……」
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