☓才色兼備☓

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「彼、今日はスーパーに寄ってから帰ったの。挽き肉を買っていたけど何を作るのかな」 コップにトマトジュースを注ぎ、悠くんの前に置いた。 「偉いわよね、一人暮らしの男性がきちんと自炊をしていて」 パソコンを開き、USBをセットする。今日撮った彼の写真を印刷しなければ。 でもその前に…… プリンターから出てきたばかりの写真を、悠くんに見せる。 「ねぇ、どう思う?」 首を少し斜めに(ひね)り、笑顔を見せる日下 雛柰の姿がそこには写し出されていた。 「そうね。“無自覚”なんかじゃないのかも」 自分のコップにもトマトジュースを注ぎ、それを一気に飲み干した。 写真を手に、レースのカーテンで仕切られている一角へと向かう。 「この子は、自分が若くて可愛いことをハッキリと理解している。それに付け加えまだ大人の女に成りきれていない部分の幼さと、十分に成熟(せいじゅく)しきった身体。それを上手く使いこなして柏原に近付いているわよね」
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