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彼はどんな風に私を抱くのだろう。
そんなことを考えながら自らの身体を弄る。
まずは私が彼の身に着けているものを優しく脱がしてあげなくちゃ。
彼がジャケット変わりにいつも羽織っている白衣は、飲み会のあとすぐに私がプレゼントしたものだ。
「神間先生、普段から白衣だなんてかっこいいですね」
彼がそう言ってきたものだから、私とお揃いにしてあげた。他の女子生徒への見せつけにもなるしね。
それからネクタイに手をかけ、そっと口づけながら眼鏡を外して……
ーーーその瞬間、今日の放課後目にした日下と柏原の光景が鮮明に脳裏に蘇った。
ベッドから起き上がり、ペットボトルを片手に先程のカーテンを乱暴に開く。
そして残っていたトマトジュースを全て、日下の写真めがけてぶっかけた。
「やっぱりだめね。明日にでも決行しなくちゃ。…芳子、頼んだわよ」
笑顔でこちらを見つめる日下の写真から、ポタポタと赤い液体が滴り落ちている。
それを人差し指で拭い、自らの口に含んだ。
「今回も絶対にバレないようにね。まぁ、貴女のことだから大丈夫だとは思うけれど」
そう。何をしようと、バレるはずがない。
だって"芳子”はもうこの世にはいないのだからーーーー
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