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ボーっとする頭を押さえ、生徒よりも先に生物室を後にした。
ドアを閉める直前に「いい女面してんなよ」という言葉が背後から聞こえてきたけれど、それに反応ができないほどになんだか頭がクラクラする。
やっぱり、ダメね…。
こんなこと長くは続けていられない。
きっかけは一年前…。
柏原への想いを募らせ眠っていたある日の晩、芳子が夢の中へ出てきたことから全ては始まった。
芳子が夢に出てくるなんて亡くなってから初めてのこと。
真っ暗な空間で互いに何も言わず見つめ合う時間が続いた次の瞬間、先に口を開いた芳子は私にこう告げたのよ。
「お姉ちゃんの邪魔をする存在は私が消してあげる」
さすが私の妹...。そう思ったわ。
昔から私の真似をして、私に尽くすことが芳子の喜びになっていた。
それは成長してからも変わっていなかったのね。
まさか、死んでまでとは思わなかったけれど。
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