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「大丈夫…と言ったら嘘になりますかね。まさか日下まで被害に……」
そういう表情もいいわね…。母性本能をくすぐる。つい手を差し伸べたくなってしまう。
「柏原先生もお辛いですよね…。テニス部の生徒ばかりがこんな被害に遭うなんて」
一歩、柏原の傍へ近づく。私ならいつでも、貴方を癒してあげることができるのに。
「犯人も未だに捕まらないままですし、怖いですよね。私にできることがあれば何でも言って下さい。必ず力になりますので…」
スッと柏原の胸元へ手を添えた。ほんの少し、彼がその身を引く。
あぁ、可愛い、緊張しているのね…。
「あ、ありがとうございます。…でも今回は犯人の目撃情報もあったようなので、これで犯人が捕まってくれればいいのですが」
その言葉に、眉がピクリと動いた。
犯人の目撃情報があった…?そんな馬鹿な……。
「…犯人を見た人がいたんですか?」
「えぇ、橋の上から見ていた人がいたみたいで。さっき警察の人と校長が話しているのを偶然聞いたんです。なんでも、犯人は女じゃないかって…」
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