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へぇ。
東條やその前の子も、被害の後は学校に来ないどころか人に会いたくないと言って結局そのまま誰にも会わずに卒業していったのに…
顔に傷をおってもなお、柏原に会おうとするなんて…。日下 雛奈、あいつはいったいどこまで図々しい子なのだろうか。
「そうですか…。わかりました、日下さんにもよろしくお伝え下さいね」
「はい、ありがとうございます」
私から離れ、去っていく柏原の背中を見送る。
彼の胸に当てた手が熱い。まだ感触がしっかりと残っている。
あぁ…どうにもならないくらいに彼のことが好きだ。
私意外の女を見ないで欲しい。例えそれが生徒であったとしても…。私のことだけを考えて、私のことだけを見ていて欲しいのに。
貴方が私の名前を呼ぶ声も
私の姿を捉える瞳も
全てが愛おしい。全てを独り占めしていたい。
こんなにも好きなのに
こんなにも愛しているのに
貴方は振り向いてすらもくれないーーー
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