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艶やかで綺麗なロングの黒髪、大きな瞳に長い睫毛、ツンとした高い鼻に赤いルージュで彩られているぷっくりとした唇。白い肌にスラリと伸びている華奢な手足。爪には唇と同じく綺麗な赤色のネイルがほどこされている。
そして白衣の上からでも分かるふっくらとした形の良い胸。
あぁ、どこからどう見ても完璧だ。今日も私はなんて美しいのだろう。
「神間先生」
ふいに名前を呼ばれ、声のする方向に視線を向ける。
むき出しの頭皮を必死に覆い隠そうと、サイドから手繰り寄せている髪を手で直し、でっぷりとしたお腹を揺らしながら嫌らしい笑みを浮かべた教頭が前方から歩いてきた。
そんな汚らしい頭に労力を使うくらいなら、腹筋でもしてお腹を引っ込めればいいのに。
「教頭、おつかれさまです」
「いやー、神間先生に任せた資料完璧だったよ。さすがだね、これからもよろしく頼むよ」
ニタニタと笑いながら私の肩を必要以上に触るその手を、今すぐにでもメスで切り裂いてやりたい。
私に触っていいのは彼だけだ。
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