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5.
その頃看護師をしているエリカという女性と知り合った。
すぐに意気投合、私たちが深い仲になるのに時間は
それほど掛からなかった。
彼女も当時国(アメリカ/サンディエゴ)にいる夫と上手くいっておらず
互いに人肌を求めていたふたりが不適切な関係に溺れていったのは
自然の流れといえた。
その時、私はエリカとの出会いを、たまたま・・というのではなく
出会うべくして出会った必然の出会いなのだと思った。
それほどに私は渇いていたのだ。
だが私の妻とエリカに対する気持ちがブレたことは一度もない。
エリカとの不倫にのめり込んでいる時でさえそこのところは
はっきりしていた。
妻と出会ってからのふたりが積み重ねてきた日々や心の軌跡は
そう簡単になくなるものではない。
身勝手だということは、重々判かっているが、愛しているのは妻だけ。
エリカのことはもちろん好きだが愛を捧げられるのは妻だけなのだ。
だからエリカに愛の言葉を囁くことはなかった。
自分の中で、はっきりと線引きはされていた。
私は仮に不倫のことを妻が知ることになっても、それまでの
妻側からのレスのこともあり、プライドの高い彼女は怒りもせず
もちろんやきもちを焼くこともせず、ただ静観するのではないだろうか
と思っていた。
だから不倫のことを知っていると告げてきた妻に・・
そしてこの先どうするつもりなの?と聞いてきた妻に・・
私は提案した。
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